転職活動は、自分の叶えたいことを達成するために行うもの。
とはいえ、仕事のことを知らなければ、自分のやりたいこととそもそもマッチしているかどうかは分かりません。
そこで、事前準備に欠かせないものの一つに業界研究があります。
とはいえ、自分一人で調べていては時間がかかってしまうというもの。
そこで、今回は不動産業界をテーマに「業界の全体像と仕事内容」について解説します。
不動産業界ってどういう仕事があるのか、正直気になっているという方は、ぜひ参考にしてみてください。
不動産業界の業界構造について
構造としては、以下の通り。
▼役割の概要
・土地や住宅を管理している「土地所有者」
・不動産を買いたい・売りたい人をそれぞれ繋げる「管理者」
・不動産を買いたい・借りたい「消費者」
不動産業界が抱える課題とは?
現状抱えている課題としては、大きく分けて3つ。
- 空き家・空き地などの遊休不動産の増加
- 資材・人件費の高騰
- 不動産の価格格差の拡大
1.空き家・空き地などの遊休不動産の増加
少子高齢化によって、人口が減って空き家や空き地が年々増加傾向にあります。
実際、厚生労働省の「我が国の人口について」と総務省統計局の「人口推計」のデータによると、2010年を境に1億2805万人いた人口は2020年には1億2615万人と100万人以上減少。
一方で、総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査」のデータによると、空き家は1978年から現在まで依然右肩上がりで、2023年には空き家率も13.8%と最高潮に。
今後も労働人口が減って、高齢者が増え続けることから空き家・空き地といった遊休不動産が生まれ続けるので、全国的に見ると不動産の価値は大きく下がると予想されます。
2.資材・人件費の高騰
少子高齢化で労働人口も確保できないことから、人件費が上昇。またウクライナ侵攻や中東紛争を理由に、輸出入にも影響が出て、原材料の調達コストが年々引き上がっています。
実際、内閣官房が2023年8月に公表した基礎資料によると、2023年の賃上げ率は3.58%と例年2%前後を推移していた賃上げ率も倍近くまでにまで上昇しました。
一方で、中小企業庁によると、2021年1月時点で20ユーロ(当時は1ユーロ125.28円)だった先物取引価格も2022年3月時点で200ユーロ(当時は1ユーロ125.59円)と約10倍にまで上昇。さらに2024年5月には円安によりユーロの価値が1ユーロ170.39円となっているので、調達コストが例年の比較にならないほど引き上がり続けています。
今後も円安は続くと予想されているので、限られた資材でどうやりくりしていくかが課題となってきます。
3.不動産の価格格差の拡大
近年の不動産バブルの影響で、都心部を中心にマンションの価格が高騰しています。
一方で空き家物件も増え続けているのは事実で、全国で見ると価格の上昇が見られるのはごくわずか。
地価が上がっているのは、都市部や商業施設への誘致が成功しているエリアにのみ限定されており、日本全体で見れば不動産市場は縮小を続けています。
実際、全国宅地建物取引業協会連合会が2023年1月に公表したデータによると、不動産価格指数が年々引き上がっている一方で、土地取引の成約件数は2022年時点でも前年比-20%前後とのこと。
そんな中、2024年4月からは「省エネ性能表示制度」もスタート。
建築物を販売・提供する業者は、販売する際に省エネ性能の明記が求められ、家賃が少し高くても、光熱費が抑えられる省エネ性能の高い賃貸住宅を購入する需要が今後は増え続けると予測されています。
なので、局所的に不動産価格が釣り上がる一方で、価値が衰退する不動産も増え続けて、市場全体としては価格差が広がり続ける見込みです。
不動産業界で働く方ってどんな人?不動産業関係の職種3選
では実際どういう仕事が不動産業界ではあるのでしょうか。今回は、不動産業関係の仕事を3つご紹介します。
1.不動産仲介
不動産の売り手と買い手を仲介する仕事のこと。
具体的には、物件の紹介・契約までのサポートなど。売り手と買い手の要望を聞き取りながら、お互いの希望条件に合った物件・人をそれぞれ紹介します。
これにより土地を活用したい人と土地を手放したい人とのマッチングをサポートします。
2.不動産管理
ビル・マンション・商業施設といった物件の維持管理を行う仕事のこと。
具体的には、設備の点検や定期的なメンテナンス・テナントの誘致から賃料の回収・その後のトラブル対応まで、一気通貫でサポートします。
これによって、物件価値を維持し、オーナーとテナント側双方にとって快適な環境を提供します。
3.不動産開発
土地を購入し、新たな建物を建設・販売する仕事のこと。
具体的には、土地の仕入れから建物の設計・建設・販売までを一貫して執り行います。
これによって、将来的な空き地の土地活用や地域活性化に大きく貢献します。
おわりに
今回は「不動産業界に関する業界の全体像と仕事内容」について解説しました。
もし不動産業界に関心を持った方は、ぜひ求人へ応募してみてください。