働く環境が多様化した現代。
終身雇用も崩壊し、個人の仕事で成果を左右・評価する会社が増えています。
評価の形が変わったことにより、働き方も大きく変化。現状の仕事に不安を感じて、より高待遇な条件の職場へ転職を考える方も…。
一方で、異業種転職によって年収が下がるっていう噂もあり、転職活動に二の足を踏んでしまうことも多いハズ。
そこで今回は「異業種転職で年収って上がる?下がる?知られざる転職の裏事情」についてご紹介します。
「会社に勤めているものの、今の給与に不満がある…」「職場環境に不満はないが、もっと年収を上げたい!」という方はぜひ参考にしてみてください。
実際どうなの?年収アップが期待される転職市場の実態
前職と比較して転職後の年収の変化は、以下の通り。
増加した | 変わらない | 減少した | |
---|---|---|---|
15〜19歳 | 8.8% | 4.1% | 86.0% |
20〜24歳 | 46.5% | 18.1% | 33.2% |
25〜29歳 | 46.3% | 20.1% | 33.0% |
30〜34歳 | 48.6% | 18.4% | 32.8% |
35〜39歳 | 40.6% | 20.5% | 37.7% |
40〜44歳 | 41.7% | 20.7% | 37.4% |
45〜49歳 | 39.7% | 27.5% | 32.5% |
50〜54歳 | 27.0% | 19.1% | 53.2% |
55〜59歳 | 32.1% | 16.5% | 49.9% |
60〜64歳 | 14.6% | 24.0% | 61.2% |
65歳以上 | 18.7% | 12.3% | 69.0% |
厚生労働省が発表した「令和2年転職者実態調査の概況」の「転職者の労働条件(賃金・労働時間)の変化」によると、転職しても年収アップした方は全体の約4割ほど。とくに45歳以上の転職では4割を下回り、年収が下がる割合も3割程度と厳しい状態が続いています。
したがって、ただ闇雲に転職を行なっても、年収アップは見込めません。
そこで転職によって年収アップを狙う場合は、戦略的に行う必要があります。
異業種転職で年収を上げるための条件
年収を上げるための条件は、以下の通り。
- 高い売上・利益率を誇る業界へ転職する
- 職種で専門性を追求して、高位のポジションへキャリアアップする
とくに「ローカルルール以外での指導・教育が不要」で「同じポジションの人間を育成・発展」させる、つまりチームをまとめるリーダー・管理職の「即戦力」が求められます。
事実、厚生労働省が発表した「令和2年転職者実態調査の概況」の「転職者の採用理由」によると「経験を活かし即戦力となるから」が約6割と最も高く、事業の戦力向上を目的とした採用活動を行っています。
したがって、異業種転職で年収を上げていきたいなら、職種的な専門性を磨いていくのが近道です。
異業種転職で年収が下がる理由
以下のいずれかが要因となります。
- 売上・利益率が低い業界へ転職したため
- 前職より役職が下がった・ポジションをキープした転職を行なったため
- 前職の経験が活かせない仕事へジョブチェンジしたため
- 賞与や手当がない会社へ転職したため
年収が下がる要因としては「会社自体の業績不調のため」「教育コストがかかるため」「売上を上げられないため」などの理由に集約されます。
したがって、もし年収を上げたい場合は、会社自体の売上を向上・支出を減少させる、一定以上の成果を上げる必要があります。
異業種転職で年収を下げないキャリアの積み方
専門性のあるキャリアを積んで自分自身の価値を上げていくことが求められます。
具体的には、自分のスキル・得意分野といえば「◯◯◯」といえるもの。
例えば、営業職であれば「売り込み力」「交渉力」「文章力」「他部門との調整力」。技術職であれば「要件定義能力」「コミュニケーション力」「技術力」など。
他人より秀でている・負けない自信がある分野をつけていくことです。
理由としては、途中の異動がない限り、部門の長までは特定の領域でキャリアを積んでいくからです。
したがって、異業種転職で年収を下げないようにキャリアを積んでいきたいなら、早期に専門性のある経験を積めるかがカギとなります。
おわりに
今回は「知られざる転職の裏事情」について解説しました。
異業種転職で少しでも年収を上げたいと考えるならば、現職を通じて専門性を追求できるキャリアを積んでいってください。