転職活動は、自分の叶えたいことを達成するために行うもの。
とはいえ、仕事のことを知らなければ、自分のやりたいこととそもそもマッチしているかどうかは分かりません。
そこで、事前準備に欠かせないものの一つに業界研究があります。
とはいえ、自分一人で調べていては時間がかかってしまうというもの。
そこで、今回は保険業界をテーマに「業界の全体像と仕事内容」について解説します。
保険業界ってどういう仕事があるのか、正直気になっているという方は、ぜひ参考にしてみてください。
保険業界の業界構造について
構造としては、以下の通り。
▼役割の概要
・保険の製品を販売・代理店に卸す「保険会社」
・保険会社から卸された保険製品を消費者に販売する「保険代理店・保険ショップ」
保険業界が抱える課題とは?
現状抱えている課題としては、大きく分けて3つ。
- 契約件数の減少
- 保険料収入の減少
- 外資系企業の参入
1.契約件数の減少
2021年度に実施された公益財団法人 生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によれば、生命保険(個人年金保険を含む)の世帯加入率は89.8%とまだまだ高い水準を保っています。
とはいえ、超高齢化社会ということもあって、今後は契約件数の減少が見込まれます。
実際、内閣府が公表した「令和5年版高齢社会白書」によれば、2022年10月時点で総人口は1億2,495万人ほど。そのうち65歳以上の高齢者が29%と人口の3人に1人が高齢者という結果となっています。
また将来推計によると、30年後の2050年には人口が2,000万人ほど減少見込みとのこと。
こうした現状から、国内の人間だけだと保険を売り込む対象が減ってしまうので、契約件数も徐々に減るのではないかと予測されます。
2.保険料収入の減少
個人保険の契約数が1億9,458万件と伸びている一方で、保有契約高は年々下がっています。
実際、一般社団法人生命保険協会の「2023年版生命保険の動向」によると、2018年度850兆円前後あった総契約高も2022年度には794兆円と大幅なマイナスとなっているとのこと。
というのも近年、国内の平均寿命が伸びて高齢者が増えたことで、死亡保障を抑えて医療保障を充実させる流れになっており、結果として死亡保障で大金を残すということができなくなってきているからです。
こうした背景から今後も契約高の減少が続くと予想されます。
3.外資系企業の参入
外資系生命保険会社の数や構成比は、2000年代前半に経営破綻した会社の買収等により、数を増やしていきました。
実際、ニッセイ基礎研究所の記事によると、2002年は国内の生命保険会社42社中17社(40.5%)が外資系となっており、2社に1社が海外からの進出企業となっています。
直近の2022年には42社中14社(33.3%)と3社に1社まで減少しているものの、外資系生命保険会社の総資産状況で見ると2002年に比べて2022年は7.9%も外資系が上昇。
このことからも国内の顧客が外資系に流れており、徐々に日系企業の肩身が狭くなりつつある現状です。
保険業界で働く方ってどんな人?保険業関係の職種3選
では実際どういう仕事が保険業界ではあるのでしょうか。今回は、保険業関係の仕事を3つご紹介します。
1.営業
保険製品の売り込みを担当する仕事のこと。
具体的には、2つのパターンの売り方があって…
- 保険製品を売ってもらう代理店開拓としての「代理店営業」
- 直接個人宅を訪問して自社の商品・サービスの新規加入者を増やす「個人営業」
があります。
これら「代理店営業」と「個人営業」で保険サービスの利用者数を増やしていくのがミッションとなります。
2.保険調査員
事故や災害の被害状況を調査・報告する仕事のこと。
具体的には、保険会社から依頼された火災・自然災害・自動車事故などの原因調査はもちろん、事故によってもたらされた損害額の算出・保険対象になるかどうかのチェックまで。
ケースごとに保険の適用要件を満たすかどうか。現地に赴いて保険金受け取り等に不正がないかどうかを調査の上、保険会社に結果を報告します。
3.支払査定
支払う保険金を調査・決定する仕事のこと。
具体的には、保険調査員から上がってきた報告を元に、お客様から保険会社・共済組合に請求を受けます。
受けた請求に対して、要求された保険金が適正であるか。基準要件を満たしているのかを調査の上、確定します。
これによって、保険適用の範囲が確定し、保険加入者に手当がそれぞれ支払われます。
おわりに
今回は「保険業界に関する業界の全体像と仕事内容」について解説しました。
もし保険業界に関心を持った方は、ぜひ求人へ応募してみてください。