転職活動は、自分の叶えたいことを達成するために行うもの。
とはいえ、仕事のことを知らなければ、自分のやりたいこととそもそもマッチしているかどうかは分かりません。
そこで、事前準備に欠かせないものの一つに業界研究があります。
とはいえ、自分一人で調べていては時間がかかってしまうというもの。
そこで、今回は卸売業界をテーマに「業界の全体像と仕事内容」について解説します。
卸売業界ってどういう仕事があるのか、正直気になっているという方は、ぜひ参考にしてみてください。
卸売業界の業界構造について
構造としては、以下の通り。
▼役割の概要
・商品を製造する企業である「メーカー」
・メーカーから商品を仕入れる「卸売業者」
・卸売業者から商品を仕入れ消費者へ届ける「小売業者」
卸売業界が抱える課題とは?
現状抱えている課題としては、大きく分けて3つ。
- 物流の効率化
- デジタル化への対応
- 品質・衛生管理の高度化
1.物流の効率化
少子高齢化により、労働人口が不足しており、その影響で物流環境の整備が追いついていません。
とくに物資を届ける人材はもちろん、大型車が物資を運び入れる搬入スペースの確保や運搬時の雨風対策が不十分で、荷物の積み降ろしでドライバーの待機時間が長くなるなど。
受け入れの遅延から、業務に無駄が生じており、どうしても非効率にならざるを得ない部分が残っています。
実際、2024年2月に国土交通省から公表された「物流を取り巻く現状と課題」の資料によると、荷待ち時間が発生する場合と発生しない場合では、ドライバーの1運行あたりの拘束時間が平均2時間近くも変わってしまうとのこと。
なので今後は、場内の入退場口を決めて一方通行化して荷待ち時間を少しでも短縮したり、天候に左右されないよう大屋根を設置するなどの対策が検討されている状況です。
2.デジタル化への対応
物流の効率化のためにデジタル化への対応も急がれています。
ただ一方で、デジタル技術を活用するための設備やシステムの受け入れも追いついていないため、検品や荷受作業の自動化・省力化が進んでおらず、作業効率が低下している現状です。
とくに、紙ベースの伝票運用が未だに続いているため、完全ペーパーレス化にすら対応できていません。
こうした状況から、現在では近距離の無線通信を用いて非接触の状態でも情報通信ができるRFID設備や電子伝票の導入が検討されています。
3.品質・衛生管理の高度化
現場の品質・衛生管理の問題も深刻です。
とくにコロナ渦で巣篭もり需要が増加したことで、オンラインで買い物を行う方が急激に増え荷物の量が増大しました。
実際、統計局が公表した「2022年家計消費状況調査」によると、2012年と比較するとここ10年でオンラインショッピングの利用世帯は2→5割超と3割近くも増加。
荷物の量も国土交通省が公表した「令和4年度 宅配便・メール便取扱実績について」という報道資料によると、令和4年度の宅配便取扱個数は、50億588万個で、前年度と比較して5265万個・約1.1%増となったとのこと。
これにより、日用品をネットで買う消費者も増えたことから、商品の状態を保つ温度管理とかにも目が向けられるようになりました。
一方で整備が追いついておらず、温度管理が適切に行える閉鎖型施設自体も不足しているため、今後は商品の品質や衛生管理にも力を入れていくことが検討されています。
卸売業界で働く方ってどんな人?卸売業関係の職種3選
では実際どういう仕事が卸売業界ではあるのでしょうか。今回は、卸売業関係の仕事を3つご紹介します。
1.セールス
商品を小売業者や他の事業者に販売する仕事のこと。
具体的には、商品自体の提案はもちろん、顧客との関係構築まで含めて担当します。
2.トレーダー
国内外の市場で商品を売買する仕事のこと。
具体的には、市場分析・価格交渉・契約締結まで。
高い交渉能力と顧客と付き合い切るコミュニケーション能力を求められます。
3.バイヤー
商品の仕入れをする仕事のこと。
具体的には、市場の動向の分析から仕入れる商品の選定まで。仕入れ戦略からコスト戦略まで幅広く対応します。
おわりに
今回は「卸売業界に関する業界の全体像と仕事内容」について解説しました。
もし卸売業界に関心を持った方は、ぜひ求人へ応募してみてください。